58話「右と左」
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前回見事にスマッシュを決め、1セット取り返した大喜。それを機に、一気に勢いのついた大喜は、最後のセットも遊佐君にくらいつきます。対する遊佐君は、そんな試合に楽しそうな表情を浮かべます。
一点、一点と迫っていく大喜。そして―
21-19。結果は大喜の勝利でした。前にIHで対戦した時にはボロボロだった相手に、僅差ながらも勝利した大喜に会場も沸きます。
当然雛とその友達も、その瞬間を見逃していません。
「すごーい!勝ったよ猪俣君!」
「さ、劇の練習に戻ろっ!」
「え、何か声かけたりしなくていいの?」
そういう友達の声も聞かず、試合が終わると雛は一目散にかえってしまいます。その顔は赤らんでいました。
大喜は、遊佐君と試合後の挨拶。すると、
「あのさ、俺まだ満足してないんだけど。」
と、試合前は名前すら憶えられていなかった遊佐君にそういわれます。「じゃあもう一試合…」と大喜が言おうとしますが、それは針生先輩に止められました。
その後一人体育館裏で勝利をかみしめる大喜。今まで前に進めているか不安だった気持ちが、目標とする相手に勝利したことで自信に変わりました。
「そのまま寝たら風邪ひくよ。」
と、そこに現れたのは、千夏先輩。
「右と左、どっちがいい?」
「え?」
「差し入れ。右と左があるの。」
「じゃあ右で。」
「はい、どーぞ。」
そう言って手渡されたのはポカリスエット。しかし、もう片方の手に持っていたのも同じくポカリスエットでした。
子どもっぽいな、と思いながら「一緒じゃないですか」と言う大喜。
「一緒じゃないよ。」
「右のには、特別にねぎらいパワー込められてるから。」
道理で疲れが消えてくわけだ、大喜はそう思うのでした。
58話感想
個人的には、ここで遊佐君に勝つか負けるかは半々だと思っていました。しかし、見事に勝利してくれましたね。あのスマッシュが決まったことで、心理的にブレーキになっていた引っ掛かりの部分がなくなって、いままでの大喜らしく、猪突猛進な姿を見せました。
それを見て、雛は何か声をかけるかと思いきや、一人劇の練習に戻ってしまいます。方や千夏先輩は、しっかりとアフターケア。なんというか、ここでも違いが出てしまっています。雛の状況は絶望的になるばかりですが、文化祭で巻き返すことはできるのでしょうか。
ありきたりな可能性を挙げるとすれば、王子役が熱で大喜が代役を務めて、かとでしょうか。いずれにせよ先輩圧倒的リードは変わりません。
ここでバドはいったんお休みして文化祭モードに入ると思いますが、次も期待ですね。
それでは、また次週!
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