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※あまりに内容が衝撃的だったため更新が遅れましたことをお詫び申し上げます。
43話「どういう文脈?」
前回、IH終わりの雛と遭遇した大喜。そのまま、なんとなく流れで雛にたい焼きを奢ることに。一方の千夏先輩は、IH優勝候補の湊崎学園との試合が始まろうとしていた。
たい焼き×ソフトクリームというぜいたくな組み合わせを、普段は食べられないからとIH終わりに美味しそうに食べる雛。大喜は雛のIHの結果が気になりますが、気を遣って直接聞くことはできません。
「そういえば三位だったよ」
ですが、雛があっさりと、結果を言ってきます。思わずえ?と聞き返す大喜。
「IHの結果、そういえば言ってなかったなって。」
「3位ってスゲーじゃん!全国で3位なんだろ!」
「私がこれで満足するとでも?」
「さようですか」
「前よりいい成績だし、内容的にも良くなってるのは分かってるから、次はいくよ。もっと上に。」
「ここで慢心しないから、雛はすごいよな。けど外野からみたら、3位でも十分すごいんだから、ちゃんとお祝いさせろよ。おめでとうな!」
その大喜の言葉に、うれしそうにうんとうなずく雛。その表情は柔らかく、いつもの雛とは違う気がする大喜。
その頃、千夏先輩の試合は、強豪相手にワンゴール差で迫る接戦を見せてみました。
雛と大喜は、近くの公園でたい焼きソフトを食べることに。公園にあったブランコに乗る雛ですが、制服姿で立ちこぎしているためスカートがひらりと舞います。大喜は慌てて、ストップ!と叫びます。
「何よ」
「パンツ見えそう…」
「なっ!中にスパッツ穿いてるもん!」
「そういう問題じゃないから!女の子だろ!もっと細心の注意を」
「…珍しいじゃん。女の子扱いするなんて。」
「するだろ。女子なんだし。」
雛はその言葉に、うつむきながら幸せそうな顔をするのでした。と、時計を気にする大喜に気が付きます。
「もしかして今日、千夏先輩の試合?」
「え、うん。そう、ちょうど第四クオーター始まったくらい。」
キュッと口元を結び、何か想う雛。そして突然、靴飛ばし対決をしよう、と大喜に提案します。
「どういう文脈?」
「千夏先輩も戦ってるし、大喜も戦おうって文脈だよ。負けたら、誰にも話してない恥ずかしい話披露ね!」
そういって勝負が始まります。大喜は、いつもの雛と違う気がする、と再び思うのでした。先攻の大喜はまずまずの距離。しかし、雛はそれ以上飛ばせると宣言します。
一方、千夏先輩は。ラスト数秒、残り一点差、千夏先輩の手にボールが渡ります。相手をかわし、放たれたボールは。
雛は、自分の足元に靴をポトリと落とすと言いました。
「誰にも言ったことないんだけどね。」

「好き」
千夏先輩のシュートは、惜しくもリングに弾かれるのでした。
アオのハコ43話感想
前回、いよいよ大一番の千夏先輩を想い、体育館で一人「好き」とつぶやいてしまった大喜。そして今回、ブランコに乗りながら、まっすぐ大喜の目を見て好きと伝えた雛。強豪相手に善戦するも、自分のシュートが決まらなかったことで敗けてしまった千夏先輩。
いよいよ、三角関係が本格的に動き出します。もはや説明不要の「アオさ」が読者を襲っていることでしょう。今回は雛推しの自分としてはあまりにも衝撃が強すぎて、思わず焦ってしまいました。「どういう文脈」という話だと、どうして雛は告白に至ったのか、と読者は思っていることでしょう。
まず告白に至った経緯について、いくつか挙げられる理由としては
- IHで三位という成績を収めて、それが後押しになった
- 少しずつ女の子扱いしてくれる大喜に、伝えたくなった
- 一緒にいても千夏先輩を気にしてばかりの大喜に、意識してほしかった
などが挙げられますが、今回の描写を見ている限り、もともと雛は言おうと決めていた様子もありましたね。一つの大きな大会の区切りがついたところで、いつまでもこのままではいられないと勇気を振り絞ったのでしょうか。いずれにせよ、好きと伝えたときの雛の表情は、読み切りの時の千夏先輩の可愛さを思い出させるような、圧倒的な可愛さがありました。
当然雛は、大喜が千夏先輩のことを好きだとわかっています。その上で、雛は大喜に想いを伝えました。そこにかける覚悟は半端なものではありません。もしかしたら関係が壊れてしまうかもしれない、迷惑かもしれない。それを乗り越えて伝えたのでしょう。
もう一つの問題は、「好き」とだけしか伝えていないこと。次の話で、「たい焼きの話」「新体操の話」などとごまかそうと思えばごまかすことができます。
しかし、次は「大喜が好き」とはっきり伝えるだろう、というのが僕の意見です。理由としては、
- 言うのに相当勇気が必要だったから(ごまかすなら最初から言わない)
- 花火大会で、うまく伝えられずに後悔しているから
- メタ的に言ってここではぐらかしたらつまらない
です。花火大会のとき、大喜と二人きりで行きたかった雛は、うまく誘えなかったことを悔いていました。ですから、今度も同じように、うまく伝えられなかったことを後悔する、なんてことはしたくないはずです。仮に大喜が「さっきのたい焼きのこと?」などとはぐらかそうとしてきたり、聞こえなかったとしても、はっきり伝えるはずです。
子どもなどの邪魔が入る可能性は否定できませんが、読者の視点からしても、ここでごまかされたりうやむやになったりしたら「冷める」と思いますし、それは作者もわかっていると思います。結論として、次の話でダメ押しのように「大喜が好き」と言ってくれると思います。
終わりに
というわけで、今回はアオのハコ43話のネタバレあり感想考察でした。それでは、また次週!
次の話はこちらから!
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