【アオのハコネタバレ】最新話 53話詳細解説!大喜、宿敵との練習試合に向けて。

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53話「よくやってるよ」

前回のお話はこちらから!

冒頭、体育館で部員と打ち合いをする大喜。同輩のその相手に、「上手くなった」と称賛されますが、大喜自身は納得がいっていない様子。やはり、頭に浮かぶのはIHで敗けた遊佐君のプレー。そのイメージがある限り、大喜は満足することができません。

それを傍で見ていた針生先輩は、大喜の気持ちを理解しつつも何の声もかけない様子。

「周りからの評価が上がっても、自分が納得いかないことってあるんだよな。成長を実感できない努力なんて、しんどかろーに。」

その表情は、大喜なら一人でその壁を乗り越えていけると思っているようでもありました。

さて、一方大喜たちのクラスの文化祭。大喜は、一人ラストシーンに悩む雛に声をかけにいきました。すると、教室に横たわりまるで死んだように目をつぶる雛が。慌てる大喜でしたが、それは「白雪姫」のラスト、王子のキスで目を覚ますシーンの練習中でした。

「このシーンだけ、どんな顔していいのかわかんなくて」

「練習付き合ってやるよ、相手がいたほうがイメージしやすいだろ」

軽く言う大喜でしたが、「キス」という台本を見て思わず顔を赤くします。

「しねーよ!?」

「わかってるわよ!!」

甘い沈黙を、いい年なんだし真面目にやろうと言って振り払いながら、何が上手くいかないのか聞く大喜。どうやら、雛は死から復活したときの表情がわからないようでした。

「どうしよう。大切なシーンなのに。ラストで一番いい演技しないと」

そう真剣に悩む雛に、大喜は思わず「雛ってやっぱりすごいよな」と漏らします。

「そこまで真剣に悩んでさ。台本もいつも持ち歩いて読み込んでるし。」

「引き受けたことは全力でやりたいもん。大喜だってそうでしょ。」

「大喜も、ホントよくやってるよ。」

「…って、皆も言ってたよ!」

雑用代表を引き受けながら、部活も全力な大喜をそう褒める雛。その真っすぐな言葉に、再び沈黙が訪れる教室。またもや振り払おうと、「流れでやったほうがいいかも、前のセリフ読むよ」と大喜。

「白雪姫、どうか、目を覚ましてくれ…」

しかし、その言葉に雛の反応はありません。「雛?」と聞く大喜。

「ダメだ。」

「大喜と本当に、したところ想像しちゃったじゃん」

手で顔を覆ったまま、それでもわかるくらい赤面して、そう言った雛。

教室に響く、ドキドキという心音。

「本当に、する?」

大喜をじっと見つめ、雛は高校生とは思えな艶やかな表情で言うのでした。


アオのハコ53話感想

今回は圧倒的雛の回。千夏先輩は登場しませんでしたね。前回、遊佐君のいる佐知川高校との再戦が決まり、「バド描写きた!」と意気込んでいた僕でしたが、そんなことどうでもよくなるくらい雛が可愛い回でした。

ちなみに、本番のキスシーンは、王子役が女の子役なので(過去話参照)心配いりません。

さて、今回の話は全体的に表情にかなり力を入れている印象でした。遊佐君のことを憂う大喜、そんな大喜を先輩として見つめる針生先輩の表情も凝っていて、なにより最後の雛は「そんな表現できるの!?」と思わず口に出したくなるレベルで今までと一線を画す作画でした。(言葉の使い方おかしいかも)

ぜひとも単行本、本誌で見ていただきたいですね。

それとこれは考察ですが、「ドキドキ」という心音描写がコマをまたいで(わざわざコマの中ではなく、コマ割りをまたぐように)描かれていた今回のお話。その理由を僕は、「コマをまたいでいるのは大喜も雛も両方ドキドキしているから」と考えていますが、今回に関していえば間違いないでしょう。どちらも赤面していましたし。

なぜこれを挙げたかと言うと、これが正しいとすると、かなり前の「千夏先輩が屋上で着替える話」の時にも、「ドキドキ」がコマをまたいでいたからです。その時は、大喜が「自分だけ意識している」と思っているようでしたが、そうではなく、千夏先輩も同じようにドキドキしていたのではないか、と思っているのです。意識した描写なのかは、作者のみぞ知る、ですが。

ただ一つ残念なのは、せっかく魅力的な終わり方をしたものの、大喜は絶対雛とキスをすることがないとわかってしまっていることですね。これが千夏先輩、雛が「ニセコイ」、「僕たちは勉強ができない」よろしくヒロインレースを繰り広げているのでしたらわかりませんでしたが、大喜が堂々と「千夏先輩が好き」宣言をしている以上、まずキスすることはありません。

これが「君のいる町」とかならわからなかったんですけどね。爽やかなこの作品からして雛とキスはないです。ざんねん。

ただ、雛にはこの調子で攻めにせめて千夏先輩の牙城を崩してほしいです。頑張れ!負けヒロインになるな!

というわけで、また次週!

次のお話はこちらから!

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