69話「いのた!」
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冒頭、菖蒲と花恋さんが話すシーンから。
「ねえ、ちーちゃんって彼氏つくらないのかな。」
「部活で忙しいってさ。」
「えーもったいない!女子高生だよ!こいして輝くお年頃だよ?…好きな人でもいるのかな?」
と、その菖蒲の発言に黙ってしまう花恋さん。
「お姉が黙るときって、図星の時だよね。だれだれ!?菖蒲の知ってる!?」
すぐさま追求してくる菖蒲。ですが、さすがに大喜のことは言えない花恋さんは、
「ちーが好きなのはバスケが上手くて背も高くて、年上ワイルド系イケメンで今海外にいるのよ!」
とうそぶきます。
「そのくらいじゃないと釣り合わないよね~」と、菖蒲も納得したようでした。
次の日。
「アメリカに留学してた、二年の松岡一馬が帰国した。」
計らったかのように、男子バスケ部に高身長の帰国子女、イケメンの男子生徒がやってきます。それを見かけた菖蒲は、当然のように、「この人だー!」と思うのでした。
「マネージャー」
と、そこへ大喜が。
「ここ記入漏れしてるってよ。」
「え。確認したのになー」
「あれ。あの人男バスにいたっけ?」
「一年間留学してたらしいよ。だから英語ペラペラ高身長、イケメン、バスケもすっごくうまいらしいし。」
そんな菖蒲の説明を聞きつつ、千夏先輩と話すその人をみる大喜。が、そこに通りかかった雛を見て声を掛けます。
「雛!この前の練習の時―」
そんな二人の様子を、特に雛の表情をみた菖蒲は、一人「おやおやおや」と何やら考えている様子を見せました。
その後、体育館裏で、偶然雛と遭遇した菖蒲。気まずい沈黙が流れますが、それを打ち破るように声を掛けます。
「あのー、一応バド部のマネージャーで、関わっちゃうから確認したいんだけど。もしかして、いのたのこと好き?」
「なっ!?」
「あー、やっぱりー。さっきも女の子って顔してたからそうかなって!あ、安心して。私はタイプじゃないから。」
初対面(?)にもかかわらずぐいぐい攻める菖蒲にたじろぐ雛。ですが構わず続ける菖蒲。
「ああいうタイプは押せば行ける!気持ち知ったらすぐ付き合おうってなるよ!」
それに対して雛は、既に大喜に告白済み。しかし返事は保留になっている、と菖蒲に告げると…
「あ’’あ’’?なにそれ、告白する方だって勇気居るのに、女の子にだけ頑張らせてるじゃん!それって蝶野さんの好意に甘えてるでしょ。蝶野さんも自由にさせてちゃだめだよ。首根っこ掴んで捕まえてないと。その状況しんどいでしょ。」
とまくしたてます。ですが、雛はそれでも、
「けど、私は大喜を好きなことが、楽しいから」
と真っすぐ言うのでした。その雛の言葉に、思わず胸を打たれる菖蒲。すると何を思ったか、「蝶野さんの恋が成就するように、協力するから!」と言い出します。波乱の予感です。
場面は変わり、大喜が一人帰宅するところ。すると、後ろから元気な声で「いのた!」と呼ばれました。振り返ると、そこには千夏先輩。
「はい!?なんで千夏先輩がその呼び方を!」
「良いあだ名だなって。」
「やめてください。結構恥ずかしいんですよ。おれがちーちゃんって呼んだら嫌でしょ。」
「いいよ。」
「え」
「もしくは、千夏って呼んでも。」
「なんてね。」
それだけ言うと、先に行ってしまう千夏先輩。その手には、花の咲いていないサボテンがあるのでした。
アオのハコ69話感想
状況の整理からすると、
- 菖蒲→雛の応援、千夏は帰国子女の男バス部員が好きだと思い込んでいる
- 雛→大喜からの返事待ち
- 千夏→大喜への気持ちに気が付きつつも、まだ確定していないと思い込んでいる
- 大喜→悩んでる?
菖蒲がどのような役回りになるのか、と思いましたが、
- 匡の代わりに雛を応援
- 大喜と千夏先輩のすれ違いを加速させる要員
- もしかしたら今後大喜を好きになる
- 匡の初恋の相手(?)
と言うようなキャラクターでしょうか。まず雛を応援することに関しては、どんだけグイグイ行くんだよ、と思いましたが、そうでもしないと話が動かないし雛も動けないので仕方ないのでしょう。あまりにも変な応援の仕方をして、話をぐちゃぐちゃにしてしまわなければいいのですが…
それと雛は、一応大喜は千夏先輩が好き、としっかり言っているわけで、自分で返事はしないで、と言っている側ですから、大喜が返事してくれないのが悪い、と菖蒲が勘違いしていることにはどこかで指摘してほしいですね、
大喜と千夏先輩のことに関しては、大喜に「千夏先輩が好きな人はあの帰国子女らしいよ。お姉ちゃんが言ってた。」と言うだけで終了のジョーカーを持ってます。花恋さんという情報源は大喜にとってあまりにも信憑性が高く、しかも大喜の性格からそれを信じて千夏先輩と距離を取ろうとするでしょう。
千夏先輩は、大喜に避けられていると感じたら、なぜ?と疑問を持ち、(菖蒲の力添えで)雛と大喜がいい感じになっているところを見たら、これまた性格からして大喜と距離を取りそう。テンプレのすれ違いですね。あだち充イズムは大好きです。
そして大喜への気持ちですが、今のところはタイプではないと言いつつも、漫画としては恋を応援しているうちに自分も、と言うのは王道ですからわかりません。アオのハコが王道ばかりを踏襲しているわけではないものの、随所に王道展開も織り交ぜています。その塩梅から、菖蒲がどうなのか読めません。
そして匡との関係ですが、僕は菖蒲が匡の初恋の相手だと信じているので、その関係にも注目したいです。菖蒲はクール系が好きらしいですし。
と言うわけで、次週もお楽しみに。
次のお話はこちらから!アオのハコ70話
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