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30話「お近づきに」
冒頭、猪俣家でのシーン。
大喜は洗面所で千夏先輩と鉢合わせ。
あの言葉を思い出して気まずくなる大喜ですが、千夏先輩はそんなことお構いなし。歯ブラシを口に入れたまま、
ひょうふぉふぉふ?
と大喜に尋ねます。
どうやら、今日部活?と尋ねたかったようでした。
大喜はいつもと違って制服を着ていたので、それが気になったよう。
大喜は、部活の後図書館に行くため制服を着ていることを説明します。
私も真似しようかな。じゃ、頑張ってね。
それだけ言って、行ってしまいました。
いつも通りの、普通の千夏先輩。大喜もそれを徐々に受け入れ、両者「あのこと」を忘れようとしているみたいでした。
そして部活も終わり、図書室での勉強。
雛はさっそく居眠りを始めていました。大喜は寝るな!と突っ込みますが、
だって数字見ててもわかんないんだもん。こんなの絶対習ってない。
そういう雛。しかしそれを見て、
「習ったよ。そこはxを代入すればいいんだよ。」
そう、クラスメイトの伊藤という男子生徒が声を掛けました。どうやら、ずっと雛に気が合ったよう。
それを聞いた大喜はー
「聞いた!?伊藤ひなのこと!」と、テンション高めに匡にこっそり報告。嫉妬や違和感を感じている様子はみじんもありませんでした。ですが、
「みんな知らないうちに、恋愛してるんだな」
もしかしたらあいつも、そいつも恋をしているのかもしれない。そう仄かに感じた大喜でした。
ひと段落して、大喜が飲み物を買いに行ったところ。
雛がぐったりした様子でソファに寝転んでいるのを発見します。
何サボってんだよ
サボってるんじゃない力尽きたんだ。もう数字みたくない
だからって寝るなよ
軽口をたたきながら隣のソファに座る大喜。
すると、近くの掲示板に掲示されていた花火大会のポスターを見て、ほかの生徒たちが話しているのが聞こえました。
なつかし、俺らも中一の時行ったよな
どうやら大喜たちも言ったことがある祭りのよう。
雛と話すようになったのも、あの頃だよな
そうだっけ
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中一の夏休み。
大喜たちのクラスでは、みんなで花火大会に行こうという話になっていました。
「雛ちゃんはどうする?」
「りんご飴食べたい」
当時から毎日のように練習していた雛は、そのような特別な機会ならとよだれをダラダラとたらしながらそう言います。
「じゃあ行く人挙手ー!」
「はいっ!!」と元気よく手を挙げる雛。その手が、たまたま後ろを通りかかった大喜の顔にクリーンヒットしてしまいました。
ごめん猪俣くん
大丈夫です。気にしないで蝶野さん。
なにやってんの、と友達に突っ込まれる雛。ですが、いつもいつも練習ばかりの日々の、つかの間のイベント。
「だって、すごい楽しみなんだもん!」
そう満面の笑みでいう雛でした。
花火大会当日。雛はその日も練習でしたが、不幸にもいつもより長引いてしまいます。
会場に着くころには、花火が始まってしまいました。
とにかくみんなを探そうと、歩いていると見かけたりんご飴の屋台。
すでに売り切れてしまっていました。
うそ!楽しみにしてたのに!!
……仕方ない。体操で結果出すためには、何か我慢しないと。
みんなと待ち合わせして屋台回るのも、りんご飴も、我慢我慢…
ほい。
目の前に差し出された、りんご飴。買い出しを頼まれた大喜が、ラスト一つになっていたのをみかけて雛のために買っておいた、そう説明します。
ありがとう、けどなんでりんご飴のことー
あんなよだれ見ちゃったらなっ。女子のあんな姿初めて見た
見てたの!?わーやめてー
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あれからだ、雛が俺に暴力を振るうようになったのは。でも中一以来、部活とかで行けてなかったな。
なんだかんだ楽しかったなー。さてと、戻るかー
また行こうよ。
今年、一緒行こ。花火大会。
雛は、はっきりそう言うのでした。
30話の感想考察
いやああああ、とんでもない青春ですね。
まず冒頭、千夏先輩はさっさと大人な線引きをして、一歩引いた付き合い方に慣れているのが見受けられます。
それに大喜も少しずつ慣れてきて、二人の関係は、おとなしくなるというか、落ち着いてしすくなくと、おすくなくとも、お互いを変に意識しないような関係性を求めているようです。
でも朝のおでこ先輩可愛すぎる。一コマで全部持っていくのはさすがにズル過ぎます。
一方雛のターン。やっぱり雛は、クラスでは人気者。しかしそれを聞いた大喜の反応が残念過ぎる…
もっと、しっと、無いの?ないよなあ…
そして、回想編。大喜と雛の幼いころの様子が描かれましたね。中学の雛もとってもかわいいです。
このころから、雛はいろいろなものを我慢していた様子。「私は一人でも平気だから」というお話がアオのハコ第二巻最終話にあったのは記憶に新しいですが、このような背景もつながってきますね。
ちなみにどうでもいいところですが、大喜たちの学校は中高一貫のはず。ですが、今回の話の途中、クラスみんなで祭りに行こうと音頭を取った子は、別の高校でバンドをしている、と大喜がいっていました。
そこが少し引っ掛かりましたけど、まあ中高一貫で別の高校行く人もいますよね。余談でした。
しかしこの時の大喜の、ムーブはかっこいいですね。キュンときてしまってもおかしくありません。
雛も嬉しかったことでしょう。それから仲良し、これでなんで付き合ってないの?
そして最後、花火がドカンと打ちあがります。雛、よく頑張った。
しかし、です。当然のことながら、大喜は「みんなで」行くと思ったことでしょう。これに関しては話の流れからそのほうが自然です。
なんなら、大喜はついさっき、クラスメイトが雛を狙っていることを知ってしまったわけですから、そいつのためにも、なんて思ってもおかしくありません。
千夏先輩は雛と大喜を応援して、大喜は雛とほかのモブを応援して、となったらカオスではあるんですが…
最近次への引っ張り方をすっかり覚えてしまったアオのハコですけど、問題は肩透かしが多いところ。
ここで次、雛がさらにたたみかけて「私は大喜と二人で行きたい」なんて言った日には、その話が収録される単行本は10巻くらい買いたくなります。まあ、今までの展開からして100パーセントないと思いますけどね。
それでは、また次週!
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