今回は、数々の名作を手掛けた前田准さんの新作、神様になった日の感想を書いていきたいと思います。それではスタートです。
※あくまでも個人の感想です。
評価:凡
この記事を見ている方はすでに本作を視聴済みかと思いますので、あらすじは省かせていただきます。
まず、映像やキャラデザは特にストレスなく見ることができました。さすがP.A.WORKSですね。瞳の色合いがとても僕好みでした。
音楽も、随所に良いBGMありましたし、やなぎなぎさんの主題歌、君という神話はいい曲だなと素直に思いました。声優さんたちも豪華で、だけじゃなくちゃんと演技も上手だったと思います。
しかしやはり、泣きのKeyといえばやはりストーリーにどうしても注目がいってしまいます。
結論から言うと、ストーリーはなかなかよろしくないものだったんじゃないかなというのが僕の感想です。
別に深く考察していたわけではないライト視聴者ですので、見逃しとかはあるかもしれませんけど、普通に見ていて、一番面白かったのは麻雀の回でした。ああいうくだらない脚本、前田さん得意なのかもしれません。他にもラーメン屋の話とか、野球の話とかはベタでしたけど普通に見ていてつまらないとは感じませんでした。まあストーリーがシリアスになる前のクッションなんだろうな、という見方をしていたからかもしれませんが。
問題はシリアスパートのストーリーですよね。「日」という文字が話数を重ねるごとに消えて言ったり、謎の少年君が出てきたり、ひなの発言だったり、タイトルの意味であったり。いろいろ考察はできたと思いますし(僕はできませんでしたが)、この点がどうつながっていくのだろうとワクワクもした。したのだが。
残念だったよなあ…。
端的に言うと、展開がありきたりでしたし、だからといって王道の王道を行ってるわけでもなく脱線してしまってる。せっかく出てきた魅力的なキャラたちは終盤電話でしか出てきませんし、主人公はめちゃくちゃな行動取っちゃうし。謎の少年も中途半端に入場して退場してしまうし。重症の子を連れ出して介護しながら浪人エンドは…。Charlotteにちょっと似てるけど、悪いほうに改悪していった最終形態みたいな感じ。
世界の終わりがひなの終わりっていうのは、白けた人も多かったらしいけど僕は全然よかったんです。彼らにとって「ひなの世界」っていうのが大きな意味あるんなら、まあそれで。
でもそこから、何が起きて、どう展開して、どう落ちてくれるんだ。と思ったら、深刻な病気そうな女の子を騒ぎ立てて脅すって、コンプラ的にも問題だし(別に僕はコンプラ順守派ではないですけど、面白くもなく誰も得しないかと)。
主人公が年下女の子を好きなのもいろいろ言われてましたけど、別にそれもいいんですよ、愛なんていろんな形があるし。
でも、ちょっと自己中心的に描かれすぎでしたよね、陽太。あれじゃあ病弱な年下女の子をそんなのお構いなしに誘拐したようなものかなあ。と。
いや確かにひな自身にも、陽太といたい気持ちはあるってしっかり描かれてたんです。ですけど、思い出すきっかけとかもギミックが残念でしたし、無理やりでしたし、どちらにも感情移入が難しいというか…。ひな、あの場所を離れるなんて、普通にしばらくしたら亡くなりそうだなって思ってしまいましたし。前作や前前作は、尺のとり方で叩かれてましたけど、今回はラスト二話、残念な話を延々とされてちょっと苦痛でしたね。
総合的には、ストーリー以外は素晴らしく、ストーリーが残念、といったところでしょうか。なんなら本当に神様みたいな力をもらって、完全復活、って方がましだったような気もしてしまいます。
「泣きの原点とボーイミーツガールの到達点」と銘打たれていましたが、泣きの原点というには王道でもないですし、まず感情移入しきれていないので泣けませんでしたし。ボーイミーツガールはこんな到達点ではないと思います。
なんだか酷評してしまいましたが、僕の中で期待値を勝手に上げすぎたが故のことです。申し訳ありません。
個人的には、一度吹っ切れたギャグ作品でも作っていただきたいかななんて思いました。
ではまた。
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