アオのハコ73話「俺はわかってる」
前回のお話はこちらから!アオのハコ72話
合宿二日目の夜、バスケ部の集団を見かけた大喜。そこに千夏先輩がいないことに気が付き、思わず「あれ、千夏先輩は?」と言ってしまう大喜。
「それが走りに行ったのよ。」
渚さんの答えに「一人で言ったんですか」と心配げな大喜。
そこに、帰国子女が声を掛けます。
「ナツのファン?」
―ファン??
「バド部の一年だよね。ナツって練習熱心でさ。いつもこうなんだよ。」
―知ってますが??彼氏面ですか?
「なに、彼氏ヅラしてんの?」
大喜が思ったことを代弁する渚さん。しかし、帰国子女は気に留める様子もなく
「え?そう?」
とへらへら顔。「俺この人すっげー苦手だ」と思う大喜でした。
「ナツのやつ、相変わらず人気あるなー。一時期出待ちとかあったもんな。俺もそういうあこがれの先輩いたなあ」
その言葉に、むっとする大喜。「あこがれって、まるで恋愛じゃないって言われたみたいだ」と思うのでした。
その後、バド部の部屋に雛が姿を現します。
「ねえ、大喜知らない?」
「そういえば……いつからいない?」
「夜連はいたよな、たぶん」
そう、大喜も夜道を走りに行っていたのでした。
走りながら、いろいろなことを考える大喜。
―純粋による一人で走ってるのは心配だし、単純に俺も走りたいし、決してストーカーではない!これが雛でも、俺は走りに出たと思うし。
―いろいろなことを、ちゃんと考えないといけないのはわかるんだけど、考えれば考えるほど、これは俺の考えなのかわからなくなる。
―筆を洗ったバケツの水みたいな。ふざけて混ぜたドリンクバーみたいな。けど、好きってもっと、直感的なんじゃないか、って。
―感じてることと言えば、たぶん俺は雛のこと、女の子として意識してる。あの時から徐々に。だから告白も、返しにくくなっていって
―千夏先輩への感情は、あこがれもあると思う。あこがれてるということは、そこに距離があるってことだって何となく感じる。
―けど、だけど。あこがれてるからこそ、隣に立ちたいと……
そんなことを考えていると、ついに千夏先輩と合流します。なんと千夏先輩は、ケガをしたおばあさんを背負っていたのでした。慌てて変わりますよ、という大喜。
「ほんと悪いわねえ。若い子に迷惑かけちゃって。疲れたでしょう」
「いえ!普段から鍛えてるので!」
そう満面の笑みで言う千夏先輩。それを見た大喜は。
―好きな色は、青。好きな飲み物は、コーラ。
―俺は、わかってる。
アオのハコ73話感想
今回は、大喜が自分の内心に向き合う回でした。最初呼んだ時は、何も進んでないなーと思ったのですが、そんなことはありませんね。特に最後の部分、少し解説します。
その前に、帰国子女うざいですね。菖蒲が千夏先輩とくっつけようと、十中八九何かありますが、面倒くさい展開になりそう。退場しないかな。
さて、ラストのシーンですが、僕は最初「(千夏先輩の)好きな色は青、好きな飲み物はコーラ」という意味に取りました。しかし、恐らくこれは誤読ですね。
その前に、「筆を洗ったバケツの水。ふざけて混ぜたドリンクバー」という描写がありました。つまり、様々な色や飲み物が混ざった状態のこと。大喜のぐるぐると混ざる感情の隠喩なわけですね。雛に対する気持ち、千夏先輩に対する気持ち、そしてそれに関しての外野からの意見。いろいろなものが混ざっています。
しかし、それでも、「好きな色は青。好きな飲み物はコーラ」と断言します。つまり、ぐるぐると混ざり合う感情の中でも、自分の「好き」は千夏先輩だ、と確信している、ということを表しているのではないでしょうか。
今回は、雛と千夏先輩で揺れ動いているように見えた大喜が、それでも自分は千夏先輩だ、と確信し高いです。そういう点で、大きな意味を持つ話ですね。
このような比喩を漫画で入れてくるのはおしゃれでいいですよね。アオのハコの好きなところです。
キャンプファイヤー、どうせ邪魔が入って引き延ばしのいつもの展開なのは目に見えてますが、楽しみです。
というわけで、また次週!
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