60話「観に行こうよ」
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「前日に言われても困りますよ!」
開始早々、文化祭準備も大詰めの大喜は先生に無茶振りされているよう。なんでも、開演時間の変更の要請があったよう。十分前倒しで。15:30の開演となるようです。
「お前明日鹿野さん誘うんじゃないの?」「俺なんか相手にされないよ」という上級生の声を耳にはさみながら教室へ戻ると、そこには白雪姫の衣装を着た雛が。
その美しさに一瞬目を奪われる大喜。
「最高の仕上がりじゃない!リーダーも何とか言ってあげてよ」
「あ、えーと…いいんじゃないでしょうか」
「そうだ!髪まいたりしよーよ!」
照れ隠しなのか敬語になってしまう大喜。その空気に耐えきれなくなったのか、雛はささっと移動してしまいました。
そんな二人の様子を、雛の友達は「文化祭で何か起こりそう」と思うのでした。
さて、当日。その日は体育館が使えないため、朝早くから走りに行く大喜。すると、公園でバスケをする千夏先輩を発見します。
「今日くらい休めばいいのに」
「大喜くんだって走ってたでしょ」
「俺はこの前の試合でやる気が溢れてて」
「私もだよ。あんな姿観たら、触発されちゃうよ。」
そういってシュートを放つ、先輩の横顔に見惚れる大喜。
「でもこれじゃ、一向に追いつけないじゃないですか。千夏先輩はもっと寄り道してくださいよ。」
「よりみちならたくさんしてるよ」
「嘘だ。脳内バスケ100%じゃないですか」
「…。そんなことないよ。」
今度はレイアップを決める先輩。また見惚れる大喜。
「そういえば、この前「渚」演奏してたバンド、二年生のバンドで、14時からライブするらしいから、一緒に見に行こうよ。」
「え」
「もしかして忙しい?」
「いえっ、行きます」
「よかった。じゃあ14時、会場で。」
そういって帰ってしまう千夏先輩。
「はい」
「はい…」
大喜の顔は真っ赤でした。
60話感想
白雪姫の雛、本当に可愛かったです!けど、バスケする千夏先輩も可愛かった。さて、いよいよ文化祭当日ですね。当然キーになるのは、「白雪姫」の劇で何が起こるか、千夏先輩がどう動くか、でしたが…
まさか千夏先輩の方から誘ってくるとは思いませんでした。完全に狙ってます。同じ学年のバンドと言うことは、当然他の二年生も観客として大勢いるはず。そこに学年のアイドルと一年生の男子が一緒にいたら、どうなることやら。しかも今まで繋がりが表に出ていたわけではないし…大丈夫か、大喜。
そして、白雪姫が十分早まりました。わざわざこの描写があるということは、何らかの意味があるのでしょう。しかしバンドは14時からなので時間には余裕がありそうですが、別の問題が発生するのでしょうか。
それと、千夏先輩の「そんなことないよ」の意味。きっとバスケ以外に大喜のことを考えてしまうのでしょう、もう雛の敗けは確定してしまったのか…
ともかくいよいよ学園恋愛ものの定番、文化祭が開幕です!
それでは、また次週。
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